タクシー運転手の仕事はきつい?そう言われる理由やその実態を解説
タクシー運転手の仕事はきつい、というイメージを持っていませんか?
実際はそうでもない部分もたくさんあり、向いている方にとってはやりがいのある魅力的な職業です。
本記事では、タクシー運転手がきついと言われる理由や向いている人・そうでない人などを紹介します。
ドライバージャーナルコラム編集部
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タクシー運転手の仕事とは?
まずはじめに「タクシー運転手」という職業について、実際どんな仕事をするのか具体的に見てみましょう。
仕事内容
タクシー運転手の主な仕事は「お客さんを車に乗せて目的地まで送り届けること」です。
安全面に細心の注意を払うことはもちろん、お客さんとのコミュニケーションを円滑に行う能力も必要になります。
また、地理に詳しければ仕事もしやすくなるでしょう。
タクシーの運転のほかにも、次のような業務があります。
- 乗車前点検・給油
- 車両の清掃
- 料金メーターの点検
- 運賃の受け取り
- 乗務記録の記入
乗車前点検・給油
運行を開始する前に、タイヤ、エンジン、オイル量、ワイパー、ライトなど、異常がないかしっかりと点検を行い、ガソリンが減っていれば給油します。
車両の清掃
お客さんが乗車する前、降車した後は車両の中と外を清掃し、乗客が気持ちよく利用できるよう心がけます。
必要があれば除菌作業も合わせて行います。
料金メーターの点検
タクシーの利用料金は、地域や会社によって様々ですが、基本的には乗客が利用した距離で金額が加算されていく仕組みになっています。
料金メーターが誤作動していると、お互いに正確な料金が判断しにくくなるため、事前に正しく作動しているか点検しておくことが大切です。
運賃の受け取り
料金メーターに表示された運賃を受け取ります。
現金以外の決済方法は会社によって異なりますが、クレジットカード、電子マネー、アプリ決済、タクシーチケットなど、設定されている全ての支払い方法に対応できるようにしておく必要があります。
乗務記録の記入
お客さんの利用ごとに、その詳細情報を乗務記録に記入します。
乗務記録には主に、走行距離、キロ数、乗降時刻、人数、運賃などを記録します。
このように、タクシー運転の仕事には運転以外にもさまざまな業務があります。
次に「タクシー運転手はきつい」と言われる理由とその実態について見てみましょう。
タクシー運転手はきついと言われる理由と実態
タクシー運転手の職業に対して、きついというイメージを持っている方は少なくないでしょう。
しかし、実際には、事実と異なっている面もあります。
ここでは、タクシー運転手がきついと言われる理由について、実際はどうなのか、を見ていきましょう。
- 労働時間が長く不規則
- 給与が歩合制
- さまざまな顧客に合わせた対応
1つずつ詳しく見ていきましょう。
労働時間が長く不規則
タクシー運転手の仕事は、長時間の運転できつそうというイメージを持たれがちです。
確かに、勤務時間のほとんどの時間は運転しているため運転が好きな方でないと、きつく感じるかもしれません。
ただ、タクシー運転手の勤務時間は「昼日勤」「夜日勤」「隔日勤務」の3つの働き方があります。
- 昼日勤:朝〜夕方までの8時間勤務
- 夜日勤:夕方〜深夜までの8時間勤務
- 隔日勤務:朝〜深夜までの17時間勤務
このうち、労働時間が長く不規則で大変そう、という印象は「隔日日勤」からくるイメージでしょう。
上記の3つの勤務体制の内容を、具体的に1つずつ見ていきましょう。
昼日勤
昼日勤は、朝〜夕方までの8時間勤務です。
一般的な他業種と同じ生活リズムで働けるのが特徴となっています。
家庭と仕事を両立しなければならない方や、深夜帯の勤務はつらそうと感じる方におすすめの勤務体制です。
夜日勤
夜日勤は、夕方〜深夜の時間帯の8時間勤務です。
夜型の勤務先から転職してきた方や、夜間の時間帯を仕事に当てたい方には都合の良い時間帯でしょう。
深夜割増料金が加算されるうえ、深夜の利用者は長距離移動が多いこともあり、効率よく収入を得られるのがメリットです。
しかし、夜の活動が苦手な方にはきつい仕事となるため不向きです。
隔日勤務
隔日勤務は、2日分の17時間の勤務を一度に行う形態で、大都市圏では主流となっています。
タクシー運転手は「長時間労働で心身ともにつらい職業」というイメージは、この勤務スタイルからきていると思われます。
確かに、休憩をはさむものの17時間もの長い時間勤務しなければなりません。
しかし、勤務を終えた次の日は休日となり、隔日で勤務します。
そのため、1ヶ月の半分以上が実質休日となり、運転が好きな方ならそれほどきついとは感じないでしょう。
隔日勤務は、深夜と早朝の時間帯に稼働できるため、深夜割増料金に加えて早朝割増料金も加算され、もっとも効率よく収入を得られる勤務体制です。
長時間勤務でも休日はしっかりとれるため、仕事と休日のメリハリをつけて働きたい方にもおすすめの勤務形態です。
給与が歩合制
タクシードライバーの給与は、一般的な企業と異なり、歩合制を基本としています。
そのため、慣れないうちは収入があまり得られない、給与が低い、というイメージを持つ方が少なくありません。
しかし、実際にタクシー運転手の令和4年度の平均年収を見てみると、全国的にみて約361万円、月給にすると30万円程度が相場。
また、それぞれの働き方や働く地域によって、その年収幅は263〜740万円と差が広くなっています。
※参考:一般財団法人全国ハイヤー・タクシー連合会/タクシー運転者賃金・労働時間の現況
やはり歩合制が基本なので、利用者を乗せた回数が収入に影響するのは事実ですが、タクシー運転手には下記のような3タイプの給与形態があります。
- A型賃金:固定給+歩合給+賞与
- B型賃金:完全歩合制
- AB型賃金:固定給+賞与(歩合給)
1つずつ具体的に見てみましょう。
A型賃金
A型賃金は、固定給に会社が定めた売り上げを超えた分の歩合が加えられる給与体系で、これに賞与が足されることもあります。
固定給があるため、初めての方でも安心して仕事が始められるのがメリットです。
ただ、売り上げを出しても歩合率が低いため、どんどん収入をアップしたい方には不向きでしょう。
最近では、このタイプの給与形態を取り入れているタクシー会社は少なくなってきています。
B型賃金
現在もっとも多く取り入れられている給与形態がこちらのB型賃金。
シンプルな完全歩合制で、経験者や高収入を得たい方におすすめです。
歩合率が高く、売り上げを出した分だけ給与として反映されるため、やりがいにも繋がります。
ただ、売り上げが安定しない場合もあり、リスクとも背中合わせとなるシステムです。
常に一定以上の売り上げがあるのであれば、B型賃金がもっとも高収入を得られるでしょう。
AB型賃金
A型とB型をミックスしたものがAB型賃金。
B型賃金をベースとしていますが、異なっているところは、歩合の一部がその月の売り上げにならず賞与として積み立てられ、年3回に分割して支給される点です。
貯金が苦手な方にとっては分割支給は好都合なうえ、会社側も社会保険料の負担を減らすことができます。
また、固定給があり、A型賃金の場合よりも歩合率も高くなっているのも特徴です。
3つの給与形態を紹介しましたが、このうち、もっとも高収入を得やすいのはB型賃金です。
人によっては、年収1,000万円ほどの収入を得ている運転手もあり、工夫と努力によって、高収入を稼ぐことも可能な職業と言えるでしょう。
さまざまな顧客対応
タクシーには、さまざまなお客さんが乗車します。
性別も年齢も性格もそれぞれに違い、それぞれに合った対応をしなければなりません。
特に、夜間や深夜の時間帯は周りも暗く、お酒に酔った方の利用も多くなるため、トラブルになることも多くなってきます。
タクシー運転手を目指す方は、そうした面を気にされる方も多いと思いますが、そうした事態に備え、タクシー会社ではさまざまな対策をしています。
車内はお客さんと密室になるため、トラブルがあった場合の対処に備え、防犯仕切版、防犯カメラ、ドライブレコーダー、GPS機能などを搭載した車両を使用していることがほとんどです。
タクシー運転手を目指している方は、ドライバーの安全確保に対してしっかりと対策しているタクシー会社を選びましょう。
タクシー運転手に向いている人
タクシー運転手は、前述のように、工夫次第で自分に合ったきつくない働き方ができる職業です。
しかし、そうはいっても、どんな仕事でも人それぞれ向き不向きがあるでしょう。
ここでは、タクシー運転手に向いている人について見ていきます。
車の運転が好き
タクシー運転手に向いている人は、まず何よりも運転が好きであることです。
運転好きであれば楽しく働くことができ、長時間の運転でも比較的苦にすることなく務められるでしょう。
また、好きなだけでなく運転が上手であること、安全に運転できることも大切な要素です。
運転が好きでない方にとっては、仕事として長時間の運転をするのは苦痛に感じるかもしれません。
乗客への気配りができる
また、運転がメインといっても、タクシー運転手は接客業です。
タクシーを利用するお客さんが気持ちよく目的地まで移動できるよう、それぞれのお客さんに合わせた気遣いと会話、言葉遣いや態度など、思いやりも含めたマナーを心得ていることが望まれます。
人とコミュニケーションをとることがあまり得意でない人、好きでない人には不向きかもしれません。
責任感があり持続力・忍耐力がある人
タクシー運転手の仕事は、乗客を指定された場所まで無事に送り届けることです。
目的地が遠隔地の場合でも、責任を持って目的地まで安全に利用者を運ばなければなりません。
何があっても仕事をやり遂げる責任感があり、忍耐力、持続力を自発的に発揮できる方に向いています。
タクシー運転手を目指すなら自分に合ったきつくない働き方を考えましょう!
いかがでしたか?
タクシー運転手はきついと言われる理由やその実態、タクシー運転手に向いている人などを紹介しました。
本記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- タクシー運転手の主な仕事は、お客さんを車に乗せて目的地まで送り届けること
- そのほかにも「乗車前点検・給油」「車両の清掃」「料金メーターの点検」などの業務がある
- タクシー運転手は「労働時間が長く不規則」「給与が歩合制」「さまざまな顧客に合わせた対応」などの面からきつい仕事というイメージがある
- 昼日勤は他の業種と同じような日中に8時間のシフトで働きやすい
- 夜日勤は8時間労働で夜間割増料金で効率よく収入アップできる
- 隔日日勤は17時間労働だが1ヶ月の半分以上の休日がある
- 基本は歩合制だが固定給がもらえる給与体制もある
- 歩合制は努力と工夫次第で高収入を得られる可能性がある
- 乗客とのトラブル対処に備え、車両に「防犯仕切版」「防犯カメラ」などを搭載している会社がほとんどである
- タクシー運転手に向いている人は「運転好きな人」「乗客への気配りができる人」など
タクシー運転手は夜勤や隔日勤務などからつらいイメージのある仕事ですが、働き方改革により以前より働きやすい環境になっている業界です。
また、自分に合った働き方を選ぶことできつさ以上にやりがいや楽しみを見出せる職業でもあります。
タクシー運転手を目指している方は、ぜひ本記事を参考に好都合の条件で働けるタクシー会社を探してみてください!
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