バス運転手の仕事内容・年収・免許とは?安定して長く働ける理由を解説

地域の住民や旅行者の移動を支えるバス運転手は、社会に欠かせない魅力的な仕事です。

一方で、「バス運転手の年収はどれくらい?」「勤務時間が長いのでは?」と、転職を考えるうえで不安や疑問を持つ方も少なくありません。

近年は労働環境の改善も進み、収入面でも安定して働ける職種として注目されています。

本記事では、バス運転手の具体的な仕事内容をはじめ、年収の実態や実際の労働時間、必要な免許について分かりやすく解説します。

本記事でわかること

  • バス運転手の仕事内容と1日の仕事の流れ
  • バス運転手になるために必要な免許・年収・キャリア
  • バス運転手のメリット・デメリットと将来性
この記事を書いた人

ドライバージャーナルコラム編集部
配送・旅客ドライバー専門の求人サイトの「ドライバージャーナル」が運営する業界研究コラム「ドライバージャーナルコラム」の編集部です。ドライバー業界で働く際に必要な免許・資格から転職事情までありとあらゆる情報を発信しています。

目次

バスの種類と仕事内容

バスの種類と仕事内容

バス運転手は、運転するバスの種類によって仕事内容や働き方が大きく異なります。運行距離や勤務時間、求められる接客の内容なども、それぞれのバスで特徴があります。

自分に合った働き方を見つけるためには、各バスの役割や業務内容を理解することが大切です。

ここでは、代表的な4つのバスの種類と仕事内容について解説します。

路線バス

路線バスは、地域住民の通勤・通学・通院など、日常の移動を支える重要な公共交通機関です。決められたルートと時刻表に沿って運行し、停留所ごとに乗客の乗り降りを行います。

安全運転はもちろん、車内アナウンスや乗降時の対応など、丁寧な接客や細かな安全確認も求められます。

高速バス

高速バスは、都市間を結ぶ長距離移動のために高速道路を利用して運行されます。新幹線や飛行機に比べて運賃が安く、コストパフォーマンスの高い移動手段として、多くの利用者に支持されています。

高速バス運転手は、長距離運転に集中力と安全管理が求められる仕事です。

また、夜行便を含む路線では勤務時間が早朝や深夜に及ぶこともありますが、その分、深夜手当や距離手当などが支給されるケースも多く、働き方に応じた待遇が受けられます。

観光バス

観光バスは、団体旅行や修学旅行、企業の送迎など、観光やイベントに合わせた移動を提供するバスです。

観光地を巡ることが多く、運転だけでなく接客対応やスケジュール管理も重要な業務です。季節によって繁忙期と閑散期の差が出やすい特徴があります。

送迎・コミュニティバス

送迎・コミュニティバスは、企業・学校・病院・高齢者施設など、特定の利用者を対象に運行するバスです。

決まったルートや時間帯で走行することが多く、利用者の顔ぶれが比較的固定されているのが特徴です。

運行距離は短めで、深夜運行が少ないため、生活リズムを整えやすい働き方ができます。地域密着型の運行が多く、利用者とのコミュニケーションを大切にした丁寧な対応が求められます。

バス運転手の1日の流れ(路線バスの場合)

バス運転手の1日の流れ(路線バスの場合)

路線バスの1日の流れを紹介します。

出勤・点呼(始業前)
出勤後、まず営業所で点呼を受けます。

車両点検・出庫準備
担当するバスの点検を行います。異常がなければ営業所を出庫します。

路線運行(午前)
決められた路線をダイヤ通りに運行します。

休憩・待機時間
折り返し地点や営業所で休憩を取ります。
※休憩時間は、法律や会社の規定に基づいて確保されています。

路線運行(午後)
決められた路線をダイヤ通りに運行します。

帰庫・業務終了
最終便終了後、営業所へ戻ります。
車内清掃・忘れ物の確認・運行日報の作成をします。
すべての業務を終えて退勤となります。

路線バス運転手の1日は、決められた手順とダイヤに沿って進むため、業務内容が分かりやすく、計画的に働きやすいのが特徴です。

バス運転手に必要な免許・資格

バス運転手に必要な免許・資格

バス運転手になるには、乗客を安全に運ぶための「大型二種免許」が必要です。

「どうやって取得するの?」「費用はどのくらいかかるの?」と疑問や不安を感じる方も多いでしょう。

ここでは、バス運転手に必要な免許の種類や取得までの流れ、免許取得支援制度について分かりやすく解説します。

大型二種免許とは

大型二種免許は、バスやタクシーなど「旅客を運送する車両」を運転するために必要な国家資格です。

普通免許や大型一種免許とは異なり、運転技術だけでなく高い安全意識や接客対応も重視されます。公共交通を担う責任の大きい仕事であるため、乗客の安全を確保するための知識と判断力が求められます。

取得方法・費用・期間

大型二種免許の取得方法には、教習所に通う方法と運転免許センターで一発試験を受ける方法の2つがあります。

取得方法費用の目安取得期間特徴
教習所に通う約30万〜50万円最短1〜2か月学科・技能を体系的に学べるため、未経験者でも安心。多くの人が選ぶ一般的な方法。
一発試験(免許センター)数万円程度個人差あり費用は安いが難易度が高く、十分な運転経験と事前練習が必要。


教習所で取得する場合の費用は、30万〜50万円前後が目安とされており、取得期間は最短で1〜2か月程度が一般的です。

一発試験は費用を抑えられるものの合格難易度が高く、十分な運転経験や事前練習が求められます。

企業によっては免許取得補助がある

バス業界では、慢性的な人手不足や運転士の高齢化といった課題に対応するため、多くの企業が大型二種免許の取得支援制度を導入しています。

普通免許を持っていれば応募可能な企業も多く、入社後に免許取得をサポートしてもらえるケースも少なくありません。

取得支援制度の有無や条件は企業によって異なるため、応募前に確認しておくと安心でしょう。

バス運転手の年収・労働時間の実態

バス運転手の年収・労働時間の実態

バス運転手を目指すうえで、「安定して収入を得られるのか」「勤務時間はきつくないのか」といった不安を持つ人も少なくありません。

ここでは、バス運転手の年収や男女別の違い、実際の労働時間について解説します。

バス運転手の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模100~999人の事業所に勤務するバス運転手の平均年収は約458万円です。

年収は、勤務するバスの種類や会社規模、勤続年数によって差が出ます。

また、早朝・深夜勤務や長距離運行に伴う各種手当の有無によっても、収入水準は変わります。

就職や転職を検討する際は、基本給だけでなく、手当や福利厚生を含めた総合的な条件を確認することが大切です。

バス運転手の男女別年収の違い

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模100~999人の事業所に勤務する男性バス運転手の平均年収は約460万円、女性運転手は約390万円です。

この差は、管理職に就く女性がまだ少ないことに加え、残業時間や深夜勤務など、労働時間に応じて支給される各種手当の違いが影響していると考えられます。

近年は、女性運転手の採用に積極的な事業者が増えており、勤務体系の見直しや設備面の整備など、待遇改善や働きやすい環境づくりも着実に進められています。

バス運転手実労働時間

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模100~999人の事業所に勤務するバス運転手の実労働時間は、男女計で月平均169時間です。

この実労働時間には休憩時間は含まれておらず、実際の拘束時間はこれよりも長くなる点を理解しておく必要があります。

また、バス運転手の労働時間は、厚生労働省が定める「バス運転者の改善基準告示」に基づいて管理されています。

1日の拘束時間は原則13時間以内とされており、やむを得ない場合でも最大15時間までの延長が可能です。ただし、その延長は週3回までが目安とされています。

バス運転手の給与を上げる方法

バス運転手の給与を上げる方法

バス運転手の給与は、働き方や経験の積み重ねによって着実に上げていくことが可能です。

基本給に加えて各種手当や昇給制度が整っている事業者も多く、長く働くほど収入アップが期待できます。

ここでは、バス運転手が給与を上げるための主な方法を紹介します。

経験年数をつむ

バス運転手として経験年数を積むことは、昇給やキャリアアップにおいて非常に重要です。長年の勤務や優れた運転技術が評価されることで、昇給やボーナスが期待できます。

無事故・無違反の実績を重ねることで会社からの評価も高まります。

このように、バス運転手として着実に経験年数を積むことは、安定した収入アップへの近道といえるでしょう。

キャリアの幅を広げる

バス運転手としてスキルアップを図ることは、収入アップやキャリアの幅を広げるうえで重要です。

特に、高速バスや観光バスの運転手として働くことは、収入アップを目指すうえで効果的です。

長距離運行では走行距離に応じた手当が支給され、夜行バスの運転では深夜手当が加算されるため、通常の勤務よりも高い収入が期待できます。

手当の多い勤務形態や路線で働くことで、着実に収入を増やしながらキャリアを広げることが可能です。

資格の取得

運行管理者や安全運転管理者は、バス運転手としてのキャリアを広げ、昇進や給与アップにもつながる有効な手段です。

取得方法は以下の通りです。

資格対象者内容取得方法
運行管理者一定期間のバス運転手経験がある人運行管理の法律、運行計画、事故防止の知識試験に合格 → 登録
安全運転管理者自動車の運転の管理に関し2年以上の
実務の経験がある人
(欠格事由がないこと)
安全運転管理に関する知識や技能事業者が選任し、公安委員会へ届け出(選任後に法定講習を受講)

取得することで、昇進や給与アップのチャンスが増えます。

将来的には管理職や教育職への道もあり、キャリアの幅を広げながら長く安定して働ける点も魅力です。

バス運転手のメリット

バス運転手のメリット

バス運転手の仕事には、安定性や働きやすさなど、多くのメリットがあります。

決められた勤務時間や休暇制度が整っているため、生活リズムをつかみやすい点も魅力です。

ここではバス運転手のメリットを詳しく解説します。

勤務時間・休日が比較的読みやすい

バス運転手は、勤務時間や休日のパターンが比較的決まっているため、生活リズムをつかみやすい仕事です。

日勤・隔日勤務・夜勤など勤務形態はありますが、シフトは事前に決められることが多く、家族やプライベートの予定も立てやすいのが特徴です。

勤務時間は厚生労働省の「バス運転者の改善基準告示」に基づいて管理されており、1日の拘束時間や休憩時間が定められています。

こうした基準に沿って管理されるため、健康面に配慮した働きやすい環境が整いつつあります。

収入が安定しやすい

バス運転手は、基本給に加えて各種手当や賞与が支給されるため、収入の安定性が高い職業です。


路線バスや高速バスの運転手は運行スケジュールが比較的安定しており、長期的に安定した収入を見込みやすい点が特徴です。

観光バスは観光シーズンや連休などの繁忙期に運行が増え、収入が上がる傾向があります。

また、経験を積むことで昇給やキャリアアップが可能であり、将来的な収入の向上も期待できます。

社会インフラを支えるやりがいがある

バス運転手の仕事は、地域の人々の通勤・通学、買い物や医療機関への移動など、「生活の足」として日常生活を支える重要な役割を担っています。

毎日多くの人々の移動を安全に支えることで、社会インフラを支える仕事として大きなやりがいを感じられます。

乗客からの「ありがとう」という感謝の言葉や笑顔は、仕事への誇りや達成感を実感できる瞬間です。

バス運転手のデメリット

バス運転手のデメリット

バス運転手は安定性ややりがいがある一方で、勤務中は安全運転を第一に考える必要があり、責任の重い仕事です。


天候や交通状況によって運行に影響が出ることもあり、柔軟な対応力が求められます。

ここでは、バス運転手のデメリットについて詳しく解説します。

拘束時間が長くなる場合がある

バス運転手の勤務は、運転時間だけでなく、出勤前の点検や待機時間なども含まれるため、実際の拘束時間が長くなりやすい仕事です。

特に、早朝出勤や深夜勤務、長距離運行を伴う高速バス・観光バスでは、1日の拘束が長時間に及ぶこともあります。

そのため、体調管理や十分な休息を意識することが重要です。

法律で定められた拘束時間や休息時間を遵守し、安全運行を心がけることが求められます。

運行中の責任が重い

バス運転手は、多くの乗客の命を預かる仕事であり、運行中の責任が非常に重い職業です。わずかな判断ミスや不注意が事故につながる可能性があるため、常に高い集中力と慎重な運転が求められます。

また、定刻運行を意識しながらも安全を最優先する必要があり、精神的な緊張を感じる場面も少なくありません。

安全運転を継続できる責任感と冷静な判断力が重要となります。

天候や交通状況の影響を受けやすい

バス運転手は、雨や雪、台風などの天候や、渋滞・事故といった交通状況の影響を受けやすい仕事です。悪天候時には視界不良や路面状況の悪化により、通常以上に慎重な運転が求められます。

また、交通渋滞によってダイヤの乱れが生じることもあり、乗客への案内や対応に追われる場面もあります。状況に応じて安全を最優先しながら柔軟に対応する力が必要です。

バス運転手の将来性

バス運転手の将来性

バス運転手は、今後も安定した需要が見込まれる職業の一つです。人手不足が続く中で求人倍率は高く、未経験からでも就職・転職しやすい状況が続いています。

ここでは、バス運転手の将来性について詳しく解説します。

求人倍率が高く、就職しやすいバス運転者

厚生労働省「統計からみるバス運転手の仕事」によると、令和6年度の全職種の有効求人倍率が1.14倍であるのに対し、バス運転者の有効求人倍率は2.07倍と、比較的高い水準にあります。

厚生労働省「統計からみるバス運転手の仕事」バス運転者の有効求人倍率「職業安定業務統計」より


この数値から、バス運転者は求人数が多く、人材が不足している職種であり、就職・転職しやすい状況にあることがわかります。

バス運転者の平均年齢

バス運転手の平均年齢について、厚生労働省「統計からみるバス運転手の仕事」によると、バス運転手の平均年齢は55歳です。

厚生労働省「統計からみるバス運転手の仕事」バス運転者の平均年齢「令和6年賃金構造基本統計調査」より

これは全産業の平均年齢44.1歳と比較しても高く、バス業界における高齢化が進行していることを示しています。

こうした状況を受け、バス業界では若手人材の確保が大きな課題です。

厚生労働省「人材確保・育成による改善事例」では、未経験者の免許取得支援制度の導入や教育・研修制度の充実といった企業の取り組みが進められており、業界全体で人材不足の解消に向けた動きが広がっています。

シニア層の活躍

シニア層の活躍について、国土交通省「バス運転者を巡る現状について」によると、高齢運転者(60歳以上)の割合は平成20年以降、上昇傾向にあります。

平成25年時点の平均年齢は48.3歳でした。

国土交通省「バス運転者を巡る現状について」高齢運転者の状況

その後も上昇が続き、厚生労働省「統計からみるバス運転手の仕事」によると、令和6年度の平均年齢は55歳となっています。

このことから、業界全体で高齢化が進んでいることが分かります。経験豊富なシニア層が重要な役割を担っており、年齢を重ねても活躍できる職種であるといえるでしょう。

女性運転者の増加

女性運転者の増加について、国土交通省「バス運転者を巡る現状について」の女性運転者の状況によると、女性バス運転者数は平成13年の620人から、平成24年には1,194人へと増加しています。

国土交通省「バス運転者を巡る現状について」女性運転者の状況

このことから、バス業界では高齢化が進む一方で、女性運転者の活躍も年々広がっており、多様な人材の確保に向けた取り組みが進んでいることがうかがえます。

また、令和6年の「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の事業所における女性バス運転者数は2,490人となっており、増加傾向が続いています。

バス運転手によくある質問

バス運転手によくある質問
未経験でもバス運転手になれますか?

未経験からでもバス運転手になることは可能です。

多くのバス会社では人手不足を背景に、未経験者の採用に積極的に取り組んでいます。入社後に大型二種免許を取得できる免許取得支援制度を用意している会社も多く、普通免許からスタートできるケースもあります。

ただし、すべての企業で支援制度が整っているわけではないため、事前に求人情報や企業の制度内容を確認することが大切です。

また、運転技術だけでなく、接客マナーや安全運行、路線の知識などを段階的に学べる研修制度が充実しているため、未経験の方でも安心して業務を始めることができます。

事故を起こした場合はどうなりますか?

バス運転手が事故を起こした場合は、乗客や相手方の安全確保を最優先に行い、速やかに警察や会社へ連絡します。その後は、会社の指示に従って事故対応や報告書の作成を行いましょう。

業務中の事故については、基本的に会社の管理責任として処理されるケースが多く、損害賠償なども会社や加入している保険で対応されます。

ただし、重大な過失や故意、飲酒運転などの法令違反があった場合には、運転手個人の責任が問われることもあります。

運転中にトイレに行きたくなったらどうしますか?

高速バスや観光バスでは、サービスエリアやパーキングエリアでの休憩が運行計画に組み込まれており、終点や折り返し地点、あらかじめ定められた休憩時間にトイレ休憩を取るのが基本です。


路線バスの場合は、多くの路線では、トイレ休憩を想定したダイヤや待機時間が設定されています。


やむを得ず体調不良などで急を要する場合は、会社や運行管理者に連絡し、指示を仰いだうえで安全な場所に停車するなど、適切な対応を行います。

天候が悪化した場合はどうなりますか?

天候が悪化した場合は、安全運行を最優先に対応が行われます。

大雨・大雪・台風などで視界不良や路面状況の悪化が予想される場合、運行管理者の判断により速度を落として運行したり、ルート変更、運行見合わせ・運休といった措置が取られます。

運転手は自己判断で無理に運行を続けることはせず、必ず会社や運行管理者の指示に従いましょう。

多くのバス会社では、天候悪化時の対応マニュアルが整備されており、乗客の安全確保を最優先に行動する体制が取られています。

バス運転手は安定性とやりがいを兼ね備えた仕事

バス運転手は、仕事内容・働き方・収入面において安定性の高い職業です。

人々の移動や旅行を支える社会的意義の大きな、やりがいのある仕事でもあります。

経験やスキル次第で収入アップやキャリアの広がりも期待でき、長く働きやすい点も魅力です。

近年は女性やシニア層も活躍しており、幅広い世代が挑戦しやすい仕事といえるでしょう。

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