運行指示書とは?作成の基本から注意点まで徹底解説【テンプレ付き】

運行指示書は、運送業務を安全かつ円滑に進めるために欠かせない重要な書類です。

運行指示書の作成は、貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の3により、長距離輸送を行うトラック運送事業者に義務付けられています。

正しく作成・運用することで、ドライバーの安全確保はもちろん、法令遵守や事故の未然防止にもつながります。

本記事では、運行指示書の役割や書き方、注意点をわかりやすく解説し、すぐに使えるテンプレートもご紹介します。ぜひ実務にお役立てください。

本記事でわかること

  • 運行指示の運用と管理の重要性
  • 運行指示書の法的義務について
  • 違反した場合の罰則やリスク
目次

運行指示書作成の基本ガイド

運行指示書は、ドライバーの安全確保と事故防止を目的とした重要な書類です。ここでは、運行指示書の記載項目と作成時のポイントをわかりやすく解説します。

運行指示書は誰が作成するの?

運行指示書は、営業所にいる運行管理者が責任を持って作成します。補助者が作成することもありますが、最終的には運行管理者が内容を確認し、責任を持つ必要があります。

運行管理者は、運行指示書を通じてドライバーに安全な運行のための指示を伝え、運行の安全を守る重要な役割を果たしています。

運行指示書が必要なケースとは?

運行指示書は、主にトラック運送事業や貸切バス事業において、運行の安全を確保するために作成される重要な書類です。以下のようなケースで作成が義務付けられています。

  • 2泊3日以上(48時間以上)の運行
    2泊3日以上の運行が予定されている場合
    運行途中で予定が変更され、2泊3日以上の運行となった場合
  • 対面点呼ができない場合
    乗務前点呼と乗務後点呼の両方を対面で行うことができない場合
  • 中間点呼が必要な運行
    運行が48時間以上で、乗務前・乗務後の点呼を対面で行えない場合
  • 貸切バス事業
    貸切バスでは日帰りや1泊2日の運行を含むすべての運行

運行指示書は、ドライバーの安全確保や事故防止において重要な役割を果たします。必要なケースを理解し、確実に対応することが求められます。

運行指示書の運用方法は?

運行指示書は、ドライバーが携帯する「正本」と営業所で保管する「副本」の2部を作成します。

運行が終了しドライバーが戻った際には、「正本」と「副本」を照合し、ドライバーが記入した内容と事前の指示事項に違いがないかを確認してください。内容に相違がなければ、そのまま両方の書類を営業所で保管します。

運行指示書の保管期間は、運行終了日から1年間と法律で定められており、厳守が必要です。

運行変更時の対応は?

運行中に予定が変わった場合は、速やかに運行管理者に連絡することが大切です。

変更が発生した際は、ドライバーが携行している正本と、営業所で保管している副本の両方に正確に記載し、記録を一致させておく必要があります。

ドライバーが運行指示書を携行している場合

  • 運行管理者の対応
    運行中に予定変更が発生した場合、運行管理者は電話や無線などを通じて速やかに変更内容をドライバーに伝えます。「変更内容」「変更日時」「運行管理者の氏名」を営業所で保管している運行指示書「副本」に記載します。

  • ドライバーの対応
    ドライバーは、運行管理者から指示された変更内容を携行している運行指示書「正本」に記載します。記載した内容は、運行終了後に営業所で保管されている副本と突き合わせ、内容に不一致がないか確認します。

ドライバーが運行指示書を携行していない場合

  • 運行管理者の対応
    運行中に予定変更が発生した場合、運行管理者は電話や無線などを通じて速やかに変更内容をドライバーに伝えます。運行管理者は「変更内容」「変更日時」「運行管理者の氏名」を運行指示書の「正本」と「副本」の両方に記載します。

  • ドライバーの対応
    ドライバーは、指示された内容を運転日報や乗務記録に正確に記載します。運行終了後にその内容を運行指示書に反映させ、記録を統一します。

運行指示書の書き方と注意点

運行指示書は、安全でスムーズな運行を支える大切な書類です。正確かつわかりやすく記載することで、ドライバーの負担を減らし、トラブルを防げます。

ここでは、基本的な書き方と押さえておきたい注意点をわかりやすく解説します。

記載内容のポイント

運行指示書に記載する内容は、法律(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の3)で決められています。安全な運行のために、以下の7項目を記載しましょう。

  1. 出発地・到着地および日時
    運行の開始地点と終了地点、さらにその日時を明確に記載します
  2. 乗務員の氏名
    運行に従事するドライバーの名前を記載します
  3. 運行経路と主な経過地
    発着時間、運行ルートや経過地の詳細を記載します
  4. 休憩地点と休憩時間
    休憩場所取る場所と時間を記載します
  5. 安全上の注意箇所・状況
    運行中に注意が必要な場所・状況を明示します
  6. 業務交代地点(交代がある場合)
    ドライバーの交代がある場合、その地点を記載します
  7. その他安全確保に必要な事項
    雨天時の安全走行指示など、運行の安全を確保するために必要な情報を記載します

書き方の注意点

運行指示書を書くときは、次のことに気をつけましょう。

  1. わかりやすく書く
    誰が見てもすぐに理解できるように、丁寧で読みやすい字で書きましょう。あいまいな表現や省略は避け、詳細に記載することが重要です。
  2. 手書きでなくてもよい
    エクセルや専用ツールを活用して運行指示書をデジタル化することで、作成時間を短縮し、共有性と業務効率を向上できます。
  3. 変更するときのルールを守る
    ドライバーと運行管理者の間で情報の伝達ミスを防ぐため、連絡手段や確認方法を統一しておくことが大切です。
  4. 書き漏れや間違いを防ぐ
    作成後は内容を再確認し、記載漏れや誤りがないかチェックします。

これらの注意点を守ることで、トラブルを防ぎ、ドライバーの安全な運行をしっかり支えることができます。

テンプレートのダウンロードリンク紹介

運行指示書は、安全運行と法令遵守のために欠かせない書類ですが、毎回ゼロから作成するのは手間がかかります。

そこで、実務で活用しやすい運行指示書のテンプレートを公開している各地域のトラック協会を紹介します。必要に応じて、日々の業務にお役立てください。

運行指示書の保存義務と違反リスクについて

運行指示書は法令で保存が義務づけられている重要な書類です。適切に保存しなければ、罰則や行政処分の対象となるリスクがあります。

ここでは、保存義務のポイントと違反した場合のリスクについてわかりやすく解説します。

運行指示書の保存期間

運行指示書は、運行が終わった日から1年間保存することが法律で決められています。「正本」「副本」の両方を営業所で保管します。

保存期間中は、いつでも点検や監査に対応できるように、しっかり保管する必要があります。保存を怠ると、行政から指導を受けたり、罰則を受けることがあるので注意が必要です。

法令違反になるケース

運行指示書は、安全な運行を確保するための重要な書類です。作成していてもドライバーが携行していない場合や、保管期間(運行終了後1年間)を守らず、適切に保管されていない場合は法令違反となります。

また、虚偽の記載や必要事項の記入漏れも違反に該当し、行政処分の対象となることがあります。

指摘された場合のリスクと罰則

運行指示書に関する違反が確認されると、以下のような行政処分が科されます。

違反行為内容件数初違反処分再違反処分
作成・指示・携行の義務違反~5件警告10日車
6~15件10日車20日車
16件~20日車40日車
記載事項の不備警告10日車
保存義務違反警告10日車
※「日車」とは、営業車1台の営業を停止させる日数のことです。
出典:国土交通省:貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について

違反件数が増えるほど処分は重くなり、最終的には営業停止や認可取り消しにつながる恐れもあります。違反によるリスクは企業の経営に大きな影響を及ぼします。

日頃から法令遵守と適切な運行管理を徹底することが重要です。

よくある質問Q&A

ここでは、よくある質問をまとめてわかりやすく解説します。運行管理の現場で役立つポイントを押さえて、安心して業務を進めましょう。

運行指示書はどのタイミングで作成すればいい?

運行内容が確定した時点で速やかに作成するのが基本です。

出発前にドライバーがしっかり内容を確認できるよう、遅くとも運行開始前までには準備を完了させましょう。

また、運行途中で変更があった場合は、速やかに修正して共有することが大切です。

1泊2日運行でも運行指示書を作成した方が良いのか?

1泊2日の運行であっても、運行管理者が運転者と直接対面して点呼を行えない場合には、運行指示書を作成し、ドライバーに携行させる必要があります。

貸切バス事業においては、運行時間の長短にかかわらず、すべての運行において運行指示書の作成が法令で義務付けられています。

ドライバーへの正確な指示や、万が一のトラブル時の証拠としても重要な役割を果たします。運行期間の長短に関わらず、適切に作成・携行することが求められます。

1日複数の運行がある場合は?

1日に複数の運行がある場合も、それぞれの運行ごとに運行指示書を作成することが望ましいです。

各運行の出発地や目的地、日時、経路などが異なるため、正確な指示を伝えるためには個別の指示書が必要です。

運行指示書を適切に作成・運用することで、運行の安全性が高まり、ドライバーも安心して業務に取り組むことができます。

運行指示書に決まった書式はある?

運行指示書に法律で定められた決まった書式はありません。

多くの企業や公的機関が使いやすい様式を独自に作成しており、自社の運行形態に合った書式を用いることが一般的です。

ただし、必要な記載事項(出発地・日時・ドライバー名・経路・安全指示など)は法律で決められています。

重要なのは、必要な情報が漏れなく正確に記載されていることです。

運行指示書はドライバーの「安全」を守るもの

運行指示書は、単なる業務書類ではありません。ドライバーの命を守り、会社の信頼を支える存在として、運送業務において欠かせない役割を果たします。

正確な作成と適切な運用は、交通事故の防止だけでなく、業務の効率化や法令遵守にも直結します。

運行指示書を活用し、安全管理体制を構築することで、安心・安全な運行管理を実現しましょう。

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