マイクロバスの運転に必要な免許は?普通免許はNG?運転できる免許の種類や取得費用などを解説!

マイクロバスの運転に必要な免許は?普通免許はNG?運転できる免許の種類や取得費用などを解説!

マイクロバスは、通勤や学校の送迎、部活の試合や合宿先への移動、介護施設や病院での移動などに使われます。少人数の移動に便利で、地域のシャトルバスとしても活用されています。大型バスと比べて手軽に運転できると思われるかもしれませんが、マイクロバスの運転には中型以上の免許が必要となります。普通自動車免許・準中型免許・8トン限定中型免許では運転することができません

本記事では、マイクロバスがどの免許で運転できるのか、免許の取得方法などを解説します。

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ドライバージャーナルコラム編集部
配送・旅客ドライバー専門の求人サイトの「ドライバージャーナル」が運営する業界研究コラム「ドライバージャーナルコラム」の編集部です。ドライバー業界で働く際に必要な免許・資格から転職事情までありとあらゆる情報を発信しています。

目次

マイクロバスってどんな車両?まずは基礎知識をおさらい!

マイクロバスってどんな車両?まずは基礎知識をおさらい!

マイクロバスはバスの中でも一番小さいもので、おもに近距離の送迎で使われています。用途を以下にまとめてみましょう。

  • 通勤や通学
  • スポーツの試合や合宿先への移動
  • 婚礼や法事での送迎
  • 少人数のグループ旅行や観光
  • 派遣会社のスタッフ送迎

乗車定員は11名~29名(車種により変動)で、総重量は8トン未満、最大積載量は5トン未満となります。車両下部のトランクスペースはなく、出入り口は車体の中ほどにあることが多いです。

ちなみに現在一般的に使用されている「マイクロバス」という名称は、トヨタ自動車の商品名「マイクロバスRK160B型(現・コースター)」から定着したものとされています。

マイクロバスの座席配置

マイクロバスの基本的な構造はこちらの画像の通りです。座席の配置は通路を挟んで運転席側が2列、もう片方が1列となっています。マイクロバスの乗車定員は運転手を除いて最大で28人ですが、最大人数まで乗車する場合は、補助席を使用することになります。

マイクロバスは普通免許で運転できる?人数制限や道路交通法の影響も紹介

マイクロバスは普通免許で運転できる?人数制限や道路交通法の影響も紹介

マイクロバスは一般的に小型のバスですが、運転には中型免許以上が必要です。普通免許では定員や車両の総重量などの制限により、マイクロバスを運転することはできません。

ここでは、マイクロバスを運転するために必要な免許について解説します。

マイクロバスは普通免許で運転できない

現在、マイクロバスは中型自動車免許の対象車両で、普通免許で運転することができません。

2007年の道路交通法改正以前に普通免許を取得した方は、免許証に「中型車は中型車(8t)に限る」という記載があるので、一見するとマイクロバスが運転できると思われるかもしれませんが、重量はクリアしていても乗車定員数が対象外のため、運転してはいけないことになっています。

マイクロバスを運転できる免許

マイクロバスを運転できる免許は「中型一種免許(8t限定なし)」「中型二種免許」「大型一種免許」「大型二種免許」の4種類です。

また、今はあまり見かけることはありませんが、1970年にマイクロバスが普通車から大型車に区分変更されたときの特例措置として交付された「大型自動車はマイクロバスに限る」の限定免許を持っている方も運転可能です。

マイクロバスの車両区分の変遷
1960年時点の道路交通法では、大型自動車の乗車定員は30名以上だったので、マイクロバスは普通免許だけで運転することができました。しかし 1970年の法改正以降からは乗車定員が11人以上の車の運転に対して大型免許が必要となったので、マイクロバスは大型自動車として扱われることになります。
その後 2007年の法改正で「中型自動車」の免許区分が登場すると、マイクロバスは中型自動車のカテゴリに分類されました。 2017年の法改正では「準中型自動車」の免許区分が新設されていますが、マイクロバスはこの区分に入らないので、中型自動車のまま現在に至ります。

マイクロバスは道路交通法の改正ごとに免許区分が変わっているので、どの免許で運転できるのか混乱するかもしれませんが、現在運転できる免許は上記4種類で、普通免許や8t限定の中型免許のみでは運転できないということを覚えておきましょう。

マイクロバスに乗りたい!免許の取得条件や費用、限定解除の方法

マイクロバスに乗りたい!免許の取得条件や費用、限定解除の方法

マイクロバスを運転するには、前章で紹介した4種類の免許を取得するか、8t限定の中型免許であれば限定解除をする必要があります。こちらでは、マイクロバスを運転できる免許についてさらに詳しく解説していきます。

中型一種免許

2007年以降に普通自動車免許を取得した方は、中型免許を新たに取得する必要があります。中型免許を取得する費用は、すでに持っている免許や限定条件により変動します。例えば、普通車(MT)から中型一種免許を取得する場合、16万円~23万円程度が相場となります。中型8t限定のMT免許から中型一種免許を取得する場合(限定解除)は10万円~15万円程度が相場です。

元々取得している免許で運転できる車のサイズが大きいほど、中型免許の取得費用は安くなります。また、中型一種免許を取得する条件として「満20歳以上であること」「普通免許・準中型免許・大型特殊免許のいずれかをすでに取得しており、これらの免許経歴が通算で2年以上あること」を満たしている必要があります。

中型免許の8t限定解除
2007年6月1日以前に普通免許を取得した方が該当します。「中型車は(8t)に限る」という但し書きが付いている方は、限定解除をすればマイクロバスや、中型免許相当のトラックの運転が可能となります。教習所での5時間程度の教習後、運転免許試験場にて限定解除審査に合格する必要があります。

中型二種免許

乗車定員が29人までの中型車を使用して、旅客自動車運送事業を行う際は中型二種免許が必要です。取得費用は中型一種免許よりも高く、例えば普通車(MT)から中型一種免許を取得する場合、34万円~37万円程度が相場となります。すでに中型免許を取得している方は、23万円~30万円が相場です。また、中型二種免許を取得するには「満21歳以上であること」「普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許・大型特殊免許のいずれかをすでに取得しており、これらの免許経歴が通算で3年以上あること」が条件となっています。

大型一種免許

大型一種免許は、満21歳以上で中型免許・準中型免許・普通免許・大型特殊免許をすでに取得しており、これらの免許経歴が通算で3年以上あることが求められます。大型免許の試験は免許センターでの一発試験が可能であり、最短9日でスムーズに合格できた場合の費用は3万6,600円となります(受験料・講習費・諸手数料などの合算)。教習所に通う場合は、普通免許を持っていれば40万円程度~が相場です。中型免許を取得している場合は20万円程度の費用となります。

大型二種免許

大型二種免許の取得には、満21歳以上で中型免許・準中型免許・普通免許・大型特殊免許をすでに取得しており、通算で3年以上の免許経歴が必要となります。普通免許のみを所持している場合は、費用はおよそ50万円程度となります。しかし、中型二種免許を所持している場合は学科試験が免除されるので、24万円程度の費用で大型二種免許が取得できます。

マイクロバスの運転を仕事にする方へ
二種免許が必要なのは、タクシーや路線バスなどの旅客自動車に人を乗せて、その運賃を徴収する業務の場合です。 介護業務の一環であるデイサービスの送迎やホテルの利用客の送迎、派遣会社でのスタッフ送迎など あくまで送迎が他のサービスの一部であって、移動自体に収益が発生しない場合は二種免許は必要ありません。 一種免許のみで業務を行うことができます。

ここまで、マイクロバスを運転できる4種類の免許について解説しました。費用はあくまで目安で、現在取得済みの免許で異なります。通いたい教習所を選んだら、まずは具体的な取得の流れや実際にかかる費用を確認してみると良いでしょう。

本記事のまとめ!中型免許(8t限定なし)以上を取得してマイクロバスに乗ろう

本記事のまとめ!中型免許(8t限定なし)以上を取得してマイクロバスに乗ろう

ここまで、おもにマイクロバスの運転できる免許や車両区分について解説してきました。ポイントをまとめると以下のようになります。

  • マイクロバスは法改正の影響で普通免許→大型免許→中型免許といった車両区分の変遷があった
  • 現在、マイクロバスは普通免許や8t限定の中型免許では運転できない。中型(8t限定なし)以上の免許が必要
  • 普通免許に「中型車は(8t)に限る」と記載があれば、限定解除をすれば運転することができる
  • 送迎業務を行う際、移動自体に収益が発生しない場合は一種免許で従事できる

マイクロバスの運転をしたい方は、まず自分に必要な免許を確認し、取得を目指してみてください。

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